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コロナ禍で増える車移動そのメリットとデメリットとは

2019年に報告されてから世界中で猛威を奮っているのがCOVID-19です。我が国でも長い期間猛威を奮っていて、まだまだ収束の目処は立っていません。より感染力の強い変異株も出てきており、多くの人が感染しているのが現状です。そんな中で、コロナウイルス感染を避けるために、人と人との接触を避けるための様々な対策が取られています。対策の一つとして、マイカーでの移動をしている方もいらっしゃるかと思います。

今回は、コロナ禍で増加する車移動についてそのメリットだけでなくデメリットや落とし穴を確認し、より安全に移動をするためには、どのようなことに注意すべきかについて解説していきます。

●コロナ禍でマイカー使用率に変化はあった?

感染症であるCOVID-19が流行し、人混みの中を歩くことや、電車やバスなどの公共交通機関を使うのが憚られる状況になりつつあります。そんな中でマイカーによる移動を選択する方が増えているようです。

理由として公共交通機関は、「不特定多数の人が利用している」や「三密である」、「換気がどこまで出来ているか心配である」ことが挙げられます。一方で、マイカーであれば「使用する人が家族だけであるため、安心できる」や「三密を避けられる」というようなメリットがあるためでしょう。

やはり、感染対策で重要になっている「密」になるのを避けるために、移動手段をマイカーに変えている人が多いようです。

●マイカーなら絶対安心!とは言えない理由

マイカーを利用しての移動は、不特定多数の人が乗車する公共交通機関と比較すると安全なように思えます。しかし、マイカーでのドライブ中に車に乗っていた人が感染したという報告も散見されます。マイカーでの移動で注意しなければならないポイントを見ていきましょう。
まず一般的な乗用車は、公共交通機関で乗るような乗り物より小さいので必然的に乗っている人同士は密接してしまいます。また、公共交通機関のように駅やバス停で止まるたびにドアが開くこともないので、密閉空間になりがちです。それに加えて、定員いっぱいまで乗っていると密集状態になります。つまり、マイカーでの移動は「3密」になりがちなのです。

COVID−19は、感染してもすぐには症状が出ません。潜伏期間は、一般的に5~6日程度になります。また、症状が出る2日ほど前には、他の人に感染する可能性があるということがわかっています。そのため、大勢で出かける時点で誰もコロナウイルス感染の症状がないから安心とは言い切れないのです。

もし、その状態で3密となって長い時間移動すると、感染している人と同じ車に乗っている人は全員感染してしまう可能性が極めて高くなります。日頃から常に行動を共にしている家族との移動であれば行動範囲が把握できるため、大きく感染リスクが上がるとも言いにくいですが、旅行などで普段一緒にいない人とマイカーで移動をするのは、感染リスクが高くなると言えるでしょう。

●マイカーで移動する際の注意点

マイカーでの移動であっても、普段行動を共にしない人との移動は可能なら避ける必要があります。しかし、様々な理由で車での移動をしなければならない方も多いと思います。そこで、マイカー移動でのコロナウイルス感染を避けるためには、どのような対策ができるのかについて見ていきたいと思います。

まずは、マスク着用の徹底です。咳を1回したり、1分間会話をするとおよそ1万個のウイルスが飛散すると言われています。感染者を含む数人で、車内で会話していると30分もしないうちに車内はウイルスだらけになってしまいます。そこで、マスクをすることによって飛散する飛沫の量を抑えることが可能です。

次に車内の換気です。車の中では、エアコンを効かせていたりして窓を閉めきって移動することも多いかと思いますが、定期的な換気を行いましょう。ある程度のスピードで走っている車であれば、数秒窓を開けるだけでも空気はしっかりと入れ替わりますので、窓をずっと開けているのが辛い場合には、定期的に短時間窓を開け閉めして換気を行いましょう。

運転を交代するときにはハンドルやカーナビなどの、手が多く触れるような部分は消毒をしましょう。接触感染を予防することができます。

また、予定が事前に決まっているのであれば、PCR検査をおこない、車に乗る全員が陰性であることを確認できているほうが安心です。コロナウイルスへの対策は一人ひとりの心掛けが大切ですので、皆で基本的な感染対策を徹底して行いましょう。

●まとめ

今回は、COVID-19が流行するなかでのマイカー移動について解説しました。マイカー移動であっても、完全に安心することはできません。マイカー移動の際の注意点を確認して、少しでも感染のリスクを下げるための行動をとりながら移動しましょう。

呼吸器内科医 扇谷知宏

呼吸器内科医呼吸器内科医

監修/扇谷知宏

所属/日本内科学会 日本呼吸器学会