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COVID-19が重症化しやすい人は、若年者でも感染する?リスク因子についても解説

新型コロナウイルス感染症COVID-19は、何度も感染者数が急増したり落ち着いたりを繰り返しています。特に2021年の夏に起こった第5波は、感染力の高い変異株であるデルタ株が猛威を振るい、今までとは比較にならない数の感染者を出しました。ピーク時には、日本の1日新規感染者が2万人超えを記録しています。重症化しやすい高齢者だけでなく、若年者の感染も増えたことが感染拡大につながりました。現在第5波は落ち着いてきていますが、新たな変異株の日本上陸などのニュースもあり、まだ完全に収束するとは言えない状況です。

そこで今回は、COVID-19にかかりやすいや重症化しやすい人はどんな人なのか、また若年者でも感染するのかについて解説していきたいと思います。

●COVID-19にかかりやすい人、重症化しやすい人は?

まずは、COVID-19にかかりやすい人、重症化しやすい人の特徴について確認していきましょう。

代表的なリスク因子としては、年齢が挙がります。人は加齢に伴い様々な機能が低下していきます。免疫に携わる細胞やその細胞を生み出す臓器の機能も落ちているので、ウイルスの侵入を防ぐ機能や侵入してきたウイルスを排除する機能も低下するのです。

年齢以外の重症化リスクについて、みていきましょう。
煙や肺気腫などの肺の疾患があって肺の機能が落ちている人、肥満や高血圧などの生活習慣病にかかっている人、慢性腎臓病や心疾患がある人などは重症化リスクが高いことがわかっています。これらの重症化リスクがある人は、治療などを行い少しでも改善させておくことで重症化のリスクを減らすことが可能です。未治療の方は早めに医療機関を受診したり、生活を改めたりしてリスクを減らしておきましょう。

●若年者でもCOVID-19に感染する?

感染や重症化のリスクが少ないと考えられる若年者ですが、若年者はCOVID-19にかかりにくいのでしょうか。実際、そんなことは全く言えない状況になっています。

2019年12月30日から2021年9月6日までにWHOに報告された世界の年齢別の症例データをみても、24歳以下の感染者数の割合は22.3%と低い数字ではありません。つまり、若年者は感染するリスクは低いと言うことが全く言えないと言う結果になっています。

むしろ、現在は高齢者のワクチン接種が随分進んできたため、若年者の感染に注意を払わなければならない状況です。若年者が感染して、ワクチン接種をしていない高齢者に感染させることも考えられます。

そのため、若年者であってもCOVID-19の脅威がないとはいえず、感染対策をすることが重要です。

出典:厚生労働省検疫所FORTHホームページ

●若年者へのワクチン接種について

COVID-19の感染が第5波で急増したことから、今後第6波が発生した場合にも若年者の感染が多くなる可能性は否めません。そこで重要となるのが若年者のワクチン接種です。

ワクチンの有効性については、90%以上の摂取率となった70代や80代以上の人の感染者数が激減していることから明らかです。変異株が出現してきた影響で、感染自体ないとは言えませんが、重症化率は明らかに下がっています。

このようにワクチンを接種すると、まず接種した本人の健康や命が守られるというメリットあります。それに加えて、高齢者や持病のある人にCOVID-19を移してしまうリスクが減るため、若年者のワクチン接種は他の世代の人の命も守る効果があるといえます。

さらに、ワクチン接種が進んで感染者数が減ることで、今まで規制されていた経済活動を再び行うことができるようになっていき、以前のような生活を早く取り戻せる可能性も高まるでしょう。

一方でワクチン接種のデメリットとしては、副反応があります。接種後に接種した部分の痛みや頭痛などの症状が出ることがあります。これらは、基本的に数日以内に改善します。まれに急性のアレルギー反応である、アナフィラキシーが起きることがありますが、このアナフィラキシーはあらゆる薬剤にリスクがあるもので、COVID-19のワクチンで極端に可能性が高いと言うものではありません。接種会場には救護ができる医師がいますので、重篤になることはほとんどないのが現状です。アレルギー体質の人は注意が必要なので、かかりつけ医や接種会場の医師に相談して慎重に検討をしてください。

総合的に見ると、ワクチンを接種するメリットがデメリットを上回っていると考えられます。

●まとめ

今回は、若年者のCOVID-19に焦点をあてて解説していきました。若年者であっても気を緩めることなく、COVID―19の対策をしていく必要があります。第6波が襲来する可能性も十分にあり、流行を少しでもはやく収束させるためにはワクチン接種や感染対策をしっかりとすることが重要です

呼吸器内科医 扇谷知宏

呼吸器内科医呼吸器内科医

監修/扇谷知宏

所属/日本内科学会 日本呼吸器学会