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新型コロナウイルス マレーシア渡航にPCRは必要?現地の状況は?

日本でも猛威をふるっており、最近では第3波到来の様相を呈している新型コロナウイルス感染症の流行ですが、世界ではどのような状況になっているのでしょうか。また世界の国々に渡航するためにはどのような条件がありどのような手続きが必要なのでしょうか。今回は世界の国々のなかからマレーシアを見ていきたいと思います。

新型コロナ、マレーシアの現状は?

現在マレーシアの一日あたりの新規感染者は1302名となっています(2020年11月24日現在)10月に入ってから感染者の数の増加が急増しており、ピークを迎えている状況です。パンデミック(世界的大流行)が起こってから同国では感染者58847人、死者341名が報告されています。ここ1ヶ月程度の感染者数の増加はこれまでで最も激しい増加を見せており、死者数も増加している状況と言えます。

外務省の海外安全ホームページでは様々な国の「感染症危険情報」を確認することができます。これは各国の感染症の危険度を表したものです。
レベル1:十分注意してください
レベル2:不要不急の渡航はやめてください
レベル3:渡航はやめてください
レベル4:退避してください、渡航はやめてください

の4段階で表されています。現在マレーシアの「感染症危険情報」はレベル3となっています。現状では基本的にはマレーシアへの渡航を控えたほうが良い状況であると言えるでしょう。また、特別な事情がない限りは現在マレーシアへの渡航の許可は下りにくいと考えられる状況です。
ただし、感染症の流行状況は刻一刻と変化しているため、入国制限の解除や緩和などの可能性もあります。マレーシアへ渡航をお考えの方は常に最新の情報を確認し、適切な対応を取る必要があります。

「感染症危険情報」自体は国民の渡航や滞在を制限するような強制力はありません。あくまで目安となる状態ですので最終的に渡航するかどうかの判断は個人に委ねられています。渡航を考える場合は十分に計画を建てる必要があります。

マレーシアに渡る際に必要な手続きは

2020年7月24日以降にマレーシアに渡航する場合、マレーシアに到着したすべての人は政府指定の隔離施設での14日間の強制隔離を含む入国手続をする必要があります。
ここでは渡航をしようと考える人が、実際に渡航をする際に必要となる手続きについて解説していきます。

マレーシアに渡航をしようとするときには、まず到着後の強制隔離の宿泊費用の支払いに対する誓約書を用意する必要があります。
旅券、航空便旅程表といった必要書類と合わせて出発の3日前までに提出します。提出先は最寄りのマレーシア大使館、高等弁務官事務所、総領事館または領事館となっています。これらを提出したら渡航の許可の判定があり、渡航が許可された場合には入国許可の承認状と渡航通知書がメールで送付されます。
これらの書類は空港等でのチェックインの際に提出が必要です。マレーシア国籍ではない人の場合、提示できなければ搭乗を拒否される可能性があるので必ず用意していきましょう。また、マレーシアの指定のアプリをダウンロードしてそのアプリに渡航情報や健康状態の登録をする必要もあります。

渡航の際の新型コロナウイルス検査について見ていきましょう。
現在マレーシア政府は、入国者に対してマレーシアへの出発前にPCR検査を含む新型コロナウイルスの検査を受けることは求めていません。
渡航にあたって新型コロナウイルスのPCR検査の陰性証明は必要ありません。到着後の強制隔離の13日目に新型コロナウイルスのPCRは検査を行う事になっています。ただし、求められる対策なども刻一刻と変化している状態ですので、今後新たにPCR検査などを渡航前に求められることもあるでしょう。渡航を考えている方は最新の情報を参照し、適切な対応をしてください。

マレーシアで注意すべきこと

現在マレーシアでは、感染拡大を阻止するための回復活動制限例が発令されています。
政府が定めた規則があり、それに従うことで経済活動などを再開させている状況です。

公共交通機関や公共の場でのマスク着用が必須となっており、違反した場合には罰金や禁固刑が科せられる場合があります。
また、テーマパークやナイトクラブの活動・不特定多数の人が集まるイベントなどや人との接触を伴うスポーツについては制限がかかっています。
これらに参加することは、罰則規定に抵触する可能性があります。最近の感染者の増加に対応する形で、警察官が違反者に対してその場で即時に罰則金の徴収通知を行うことができるようになるなど、取り締まりの強化も行われているので注意が必要です。
現在感染拡大の最中に有るため、感染の可能性を広げるような行動には厳しい制限がかかっていることを理解することが重要と言えます。

まとめ

今回はマレーシアの状況や渡航のときの必要な手続きなどを見ていきました。
現在マレーシアは流行拡大の最中にある状態であり、基本的には渡航は認められにくい状況となっています。今後の動向に注目し、必要な情報を十分に集めてから渡航の準備をすることが重要と言えます。

呼吸器内科医 扇谷知宏

呼吸器内科医呼吸器内科医

監修/扇谷知宏

所属/日本内科学会 日本呼吸器学会