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新型コロナウイルス カタールの状況は?渡航に必要な手続きは?

新型コロナウイルスの状況が刻一刻と変化しています。いまや全世界的に大流行している状況となり、日本でも東京・大阪の感染者数の急増から第3波の到来が危惧されている状況です。世界でも流行の拡大が懸念されており、国外に渡る際には十分な情報を収集する必要があります。今回はカタールの状況を見ていきたいと思います。また、渡航を考えている方への情報も合わせて解説していきます。

カタールの新型コロナウイルスの現状は

現在(2020年11月24日現在)のカタールの状況を見ていきましょう。
カタールでは今回のパンデミック(世界的大流行)が始まって以降、感染者137,527名、死者236人が報告されています。現在のカタールの一日あたりの感染者数は一日平均で200人程度になっています。ピークだった6月初旬は1,500人程度報告されており、現在はやや落ち着いた状態が続いていると言えますが、感染者が多く出ている状況ではありますので、十分に注意が必要です。
外務省の海外安全ホームページでは様々な国の「感染症危険情報」を確認することができます。
これは各国の感染症の危険度を表したものです。

レベル1:十分注意してください
レベル2:不要不急の渡航はやめてください
レベル3:渡航はやめてください
レベル4:退避してください、渡航はやめてください

の4段階で表されています。現在カタールの「感染症危険情報」はレベル3となっています。
現時点では感染症の危険から、不要不急の渡航は控えたほうがいいと判断できる状態であり、渡航の許可もおりにくい状況であることが予想できます。
カタールに渡航を考える際には最新の情報を常にチェックして、安全に渡航できるタイミングを見計らう必要があると言えそうです
ただし、先程示した「感染症危険情報」自体は国民の渡航や滞在を制限するような強制力はありません。あくまで目安となる状態ですので、最終的に渡航するかどうかの判断は個人に委ねられています。渡航を考える場合は感染症から自分や同行者を守るための対策を十分に行い、現地での感染対策の情報を常にチェックした上で行動することが重要です。

カタールに渡航するにはどんな手続が必要?

カタールは日本を含め40カ国を低リスク国として指定しています。
この低リスク国からの入国について見ていきましょう。
低リスク国からの入国をする場合には、まずカタールから承認された医療機関でのPCR検査が必要です。
このPCR検査は、出国48時間以内に受ける必要があります。検査の証明書を発行してもらい、証明書の写しを入国時に提出してください。
出発地の国内において、新型コロナウイルスの検査が実施されていないときには入国時にハマド国際空港で検査が行われます。
申請者は低リスク国の中に72時間以上滞在していた証明の添付も必要です。72時間未満の場合は低リスク国以外の入国者として対応されることになります。

今後の流行次第では日本が低リスク国から外れる場合もありえますので、低リスク国以外からの入国についても確認していきます。
低リスク国以外から入国する場合、指定された隔離用のホテルを1週間予約する必要があります。
まずは、ハマド国際空港において新型コロナウイルスの検査を行います。陽性となった場合は隔離施設へ、陰性となった場合は隔離ホテルで1週間隔離となります。

以上カタール入国時の手続きについてまとめていきました。
これらの手続きは感染の流行状況によって変わる可能性がありますので、渡航を検討されている方は常に最新の情報を確認して必要な書類や手続の確認を行ってから渡航してください。

カタールに渡った後に注意すること

カタールの国民及び在住者はスマートフォンアプリ「EHTERAZ」のインストールが義務になっています。
このアプリではGPSとBluetoothの機能を利用して新型コロナウイルス感染者の動向や接触を確認できます。
また、アプリ利用者の健康状態を公的機関情報に基づいて表示することもできます。カタールに滞在中は、このアプリをインストールしたスマートフォンの携帯が必要です。その他、車両には2名を超えて乗車させない(タクシーなどは3名まで)という決まりがあったり、スポーツ活動は集会を避けてマスクを着用して安全な間隔の保持などの安全対策を行った上で行うことが求められるなどの制限があります。
店舗の営業は食料品販売店,ケータリング店,薬局,デリバリーを提供しているレストランを除く、店舗の閉鎖が行われています。
基本的には外出は必要最低限と考えたほうが良い状況と言えるでしょう。
これらの措置に違反すると罰金を課されたり、禁固刑が課されることがありますので、渡航時に行われている行動制限については常に確認しましょう。

まとめ

今回はカタールの状況や渡航に必要な手続きなどを確認していきました。
今回解説した情報に関しても、日々変化しているので各国の新型コロナウイルスの状況については最新の情報をしっかりとチェックする必要があります。十分に情報収集をして安全に海外に渡れるように準備をしていきましょう。

呼吸器内科医 扇谷知宏

呼吸器内科医呼吸器内科医

監修/扇谷知宏

所属/日本内科学会 日本呼吸器学会