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陽性のときは絶対に感染している?陰性なら絶対安心?

PCR検査の結果について 陽性のときは絶対に感染している?陰性なら絶対安心?

そもそもPCR検査の陰性陽性の精度はどれくらい?「感度」と「特異度」

新型コロナウイルスの検査として最も有名なPCR法。
ニュースで耳にする機会が格段に増えた方が多いと思います。
このPCR検査はウイルスのDNAを増幅させて検出することで、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを検査することができます。
この検査の正確性について疑問を持たれている方も多くいらっしゃると思います。ここでは新型コロナウイルスのPCR検査の「感度」と「特異度」について解説していきます。

まずは感度からみていきましょう。
感度とはある疾患を検出する検査を行ったときに、疾患のある人の打ち検査結果が陽性となった人の割合を指します。
つまり新型コロナウイルスの検査の感度とは新型コロナウイルスにかかっている人が100人いたとして、そのうち何人が正しく陽性が出るか?というものです。
感度が高ければ高いほど、新型コロナウイルスにかかった人を見逃しにくいというふうに考えるとわかりやすいでしょう。
感度が高い検査では陰性と判定されたときに正しい判定ができている可能性が高く、疾患の除外に優れた性能を発揮します。

 次に特異度について解説していきます。
特異度とは疾患のない人に検査をした際に、正確に陰性と判定できる割合のことを言います。特異度が低いと、本当は感染していない人を誤って陽性と判定してしまうことが多くなります。
特異度が高い検査では、陽性と出たときに正しい判定ができている可能性が高く、診断の確定に優れた性能を発揮します。

PCR陰性だった!それでも油断はできない。

新型コロナウイルスを疑うような症状があり、PCRを受けたところ「陰性だった!コロナウイルスにかかっているという可能性はないから絶対安心だ!」とはならないのです。どのような疾患に対する検査でも、精度には限界があります。
陽性であることを見抜けず、感染者を陰性と判断する「偽陰性」となる人が一定数存在します。新型コロナウイルスのPCR検査の感度は70−80%程度と言われています。
つまり、100人の感染者を検査したときに20−30人程度は陰性と判断され、見逃されてしまうのです。
そのため、一度の検体を分け、複数回検査を行い精度を高めていったり、他の検査を併用したりという事で正確性を担保するという事に繋がります。

偽陰性になる原因としては、検体のとり方に問題があり、うまくウイルスを含む検体が採取できなかったり、感染して間もないときで体内のウイルス量が少ない時に検査を行ったため採取した検体にウイルスがほとんど含まれていなかったなど、検体の質に関連するものが多いと推測されます。

一方で、適切な時期に適切な方法で質の良い検体が取れたときには高い感度が期待できます。
このことから症状がない状態で実は感染していた、という場合にはウイルス量の多い十分な質の検体が取れずに偽陰性になるということも考えられます。
検査結果については慎重に検討する必要が有るでしょう。

呼吸器内科医 扇谷知宏

呼吸器内科医呼吸器内科医

監修/扇谷知宏

所属/日本内科学会 日本呼吸器学会